公益財団法人日本生産性本部生産性研究センターは6月3日に生産性レポートVol.14「日本のIT投資は生産性向上に寄与しているのか?~「生産性向上につながるITと人材に関する調査」から見えてくるもの」を公表しました。

●要旨

・2019年に実施した「生産性向上につながる ITと人材に関する調査」と東京商工リサーチの企業データを用いた分析から日本企業の IT利活用と生産性との間の関係を調べた。
・労働生産性とIT投資比率との間にはプラスの相関が見られたが、 IT利活用の目的のあり方や IT化に対応した人材育成策の状況は、生産性や IT投資と明確な関連性が見られなかった。
・IT利活用や人材育成などが生産性と明瞭な関係を持たない背景には、 IT化に対応した業務プロセスの見直しや人事評価の 変更など、組織全体で実施する必要のある取り組みが IT投資と必ずしも連動していないという問題が存在すると考えられる。
・足元では新型コロナウイルス感染症の拡大により在宅勤務が急増しているが、今回の調査時点で在宅勤務を導入している企業は 2割に留まり、 ITを利用して生産性向上を実現する効果は見られない。現行の感染拡大の収束が見られた後、在宅勤務を含めた IT利活用による働き方の効率化が感染の再拡大に備え、生産性にプラスの効果をもたらすよう、企業内の組織改革、政府の支援、各種の制度改革を進めていく必要がある。

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